著作権なんて、放棄してしまえばいい

著作権とは、一般にとってはあまりにも強力な権利である。
そんなものが、無条件に付加される。
権利は強力なほうがいいのだろうか。
実は違う。
強力な権利には、重い義務が課せられるからだ。

一例

pinkbbsの半角二次元板には、自作絵をアップローダーに挙げ匿名でスレに投下している絵師が何人もいる。
この状態でもしこの自作絵が猥褻であると判断されたとしたとき、その実害を被るのは絵を描いた者ではなく、アップローダーを運営する者だ。
アップローダーに投下した絵は転載されても許され、描いた者が転載についてあーだこーだ言うときはむしろ描いた者の側が叩かれる。
著作権の放棄がなされたという社会的合意が形成されている証拠だろう。
他にも2chなどで匿名で書くということは重い義務からの開放を目的とした著作権の放棄だ。

権利の放棄による責任からの開放

一般的に、その物でカネを稼ごうと思っていない場合は著作権に付随する義務の大きさによる不利益のほうが目立つ。
読んだ者がそれをどう解釈するかわかったものではないのに「書いたものに対する責任」を負わされる。
「どこまでが猥褻か」というのもこれだし、「ある個人史の終焉」における削除騒動も根本はここにある気がする。
そして責任とは、それを全うすることで喜びを得られることもあるが、ほとんどの場合は苦痛だ。
わずらわしさからの開放を目指した著作権の放棄はもっと行われてもいいことだし、はっきりと「放棄する権利」を認めるべきだ。